インカムゲインとキャピタルゲインって何?あなたはどちらに向いている?
執筆者:株式会社ZUU
2021年4月28日
資産運用をする際によく登場する投資用語として、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」があります。利益をどのように得るかを示す用語で、違いを理解することは自分の投資スタンスを決める上で役立ちます。今回はこの2つの頻出用語について解説します。
■インカムゲインとキャピタルゲインの違いは?
インカムゲイン(Income Gain)は、資産を保有していることで得られる利益のことを指します。一方、キャピタルゲイン(Capital Gain)は、資産の売却によって得られる利益のことを意味します。
資産運用の方法は株式投資や投資信託、不動産投資などさまざまですが、基本的にどの資産運用の方法でも、投資利益はインカムゲインとキャピタルゲインの2つに分類できます。
例えば株式投資では、配当がインカムゲインに相当し、株を購入したときと売却したときの差益がキャピタルゲインに相当します。一方で不動産投資では、家賃収入がインカムゲインに相当し、不動産を購入したときと売却したときの差益がキャピタルゲインに相当します。
■インカムゲイン:安定的に利益を得ていくことが可能
前述の通り、株式投資におけるインカムゲインは「配当」です。日本株の場合は保有していることで「株主優待」を受けることができるケースもあり、その場合は株主優待もインカムゲインに含まれます。
●インカムゲインのメリットは?
株式投資におけるインカムゲインのメリットは、株価の短期的な値動きに左右されず、安定的に配当として利益を得ていくことが可能な点です。
●インカムゲインのデメリットは?
インカムゲインのデメリットは、配当の年間利回りは数%程度のため、ハイリターンにはならない点です。例えば、東証一部上場企業の平均利回りは、1.92%です(2021年1月時点の有配会社平均利回り、日本取引所グループHPより)。
また、会社の業績が悪化した場合、配当や株式優待が廃止になるリスクもあります
●インカムゲインはどんな人におすすめ?
このような特徴から、インカムゲインで利益を得る方法は、長期投資を前提としている人や、なるべくリスクを抑えたい人に向いています。株式市場が開いている日中に株価の変動をチェックできない会社員などにもおすすめです。
■キャピタルゲイン:短期間で大きな利益を狙うことが可能
一方、株式投資におけるキャピタルゲインは「売却益」のことです。1,000円で買った株を1,100円で売れば、100円のキャピタルゲインが手元に残ることになります。
●キャピタルゲインのメリットは?
株式投資におけるキャピタルゲインのメリットは、短期間でハイリターンを狙うことができることです。中には1年で株価が数倍になる銘柄もあり、その場合は大きな利益を得ることができます。
●キャピタルゲインのデメリットは?
キャピタルゲインのデメリットは、株価が暴落するリスクがある点です。特にリーマンショックなどの経済危機のあとは株価が一気に下がり、資産価値が大きく目減りすることになります。
●キャピタルゲインはどんな人におすすめ?
キャピタルゲインを狙う資産運用は、株価の変動を頻繁にウォッチする時間がある人や、リスクが一定程度大きくてもハイリターンを狙いたい人に向いています。
■比重を考えつつ、順調に資産を増やしていこう
インカムゲインとキャピタルゲインは、両立しないものでは決してありません。例えばキャピタルゲインを狙う場合でも、その株式を売却するまでに長期保有すれば、配当を得ることも可能です。
一方でインカムゲイン、キャピタルゲイン、どちらに比重を置いた投資スタイルにするかは、自分の生活スタイルや性格、現時点での資産状況を考慮してよく考える必要があります。投資資金の50%はインカムゲインで安定的な利益を狙い、残りはキャピタルゲインで大きな利益を狙う、といったバランス感覚も求められます。
「人生100年時代」がいずれ到来するといわれる中、こうした視点をしっかり持つことができれば、リスクを許容範囲内に抑えつつ、現役時代に資産を順調に増やしていくことも可能でしょう。
ちなみに投資は始める時期が早ければ早いほど、「複利効果」によって将来得られる利益が大きくなっていきます。そのため、基礎知識をしっかり身に付けた上で、早めに資産運用に乗り出すことも重要です。