2024/03/29
カードローンとは?仕組みやメリット・申込みの流れまで徹底解説
執筆者:大西洋平
まとまったお金が必要になったり、手持ちの現金が足りなかったりする場合などに救いの手となるのが個人向けの融資サービスです。
個人向け融資サービスの一つとしてカードローンがありますが、具体的にはどのような仕組みになっているのでしょうか。
本記事では、カードローンの仕組みやメリット、申込方法から利用する際の注意点まで解説します。
1.カードローンとは?
カードローンとは、銀行やノンバンクなどが提供している個人向けの融資サービスです。専用のカードやキャッシュカードを用いて、契約時に設定された利用限度額の範囲内でお金を借りられます。
2.カードローンのメリット
カードローンを利用すると、どういったメリットが得られるのでしょうか?ここでは、カードローンのメリットを5つ紹介します。
2.1.場所や時間を問わず借入れと返済が可能
ATM・キャッシュディスペンサー、ウェブ・アプリ、電話といったチャネルから気軽に借入れを申込めますし、返済についても銀行口座からの自動引落としだけでなく、ATMやネットバンキングにも対応しているのがカードローンのメリットです。つまり、場所や時間を問わず、手軽に借入れと返済が可能だということです。
2.2.目的にあわせて自由に使える
カードローンは使い道が特定されていないケースが多いので、自分自身のニーズに応じて自由に借入金を活用できます。ただし、利用条件が設定されている場合もあるため、検討している商品や金融機関の詳細を確認しておきましょう。
2.3.担保・保証人無しで借りられる
カードローンでは、担保の差し入れや保証人による保証を必要としません。そのため、金融機関側で担保評価などの作業も発生せず、担保を要するローンと比べて手続きも円滑に進みます。
2.4.限度額の範囲内であれば、何度でも利用が可能
カードローンは事前の審査で定められた限度額の範囲内なら、何度でも借入れが可能です。継続的に借入れを利用する可能性がある場合、カードローンの利用を検討してみると良いでしょう。
2.5.年会費・入会費が無料
クレジットカードでは年会費・入会費がかかる場合がありますが、カードローンでは年会費・入会費などを求められることはありません。
3.カードローンの申込方法
カードローンの申込みを行い、実際に利用できるようになるまでには、どのようステップを踏むことになるのでしょうか?申込む際の手続きのよくある流れについて説明します。
3.1.まずは必要な書類をそろえる
カードローンを申込む際には、本人確認書類と収入証明書類が必要となることが多いです。本人確認書類は運転免許証、マイナンバーカード、住民票の写し、各種健康保険証のうち、いずれか2点、収入証明書類は源泉徴収票、確定申告書、課税証明書、納税通知書などからいずれか1点を提出します。
【本人確認書類】
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- 住民票の写し(発行日から6ヶ月以内のもの)
- 各種健康保険証
いずれか2点
【収入証明書類】
- 源泉徴収票
- 確定申告書
- 課税証明書
- 納税通知書
- 給与明細書
など、いずれか直近のもの1点
カードローンの申込みに必要な書類については「カードローンの申込みに必要な書類についてFPが解説」でも解説しているので、あわせて確認してみましょう。
3.2.ネットや電話で申込む
続いて、利用したい会社の、ウェブ上に設けられた窓口や専用電話を通じ、カードローン利用の申込みを行います。ウェブ経由の場合は必要事項をすべて入力し、電話の場合は後日郵送されてきた用紙に記入します。
3.3.本人確認書類・収入証明書類などを提出する
ウェブ経由の場合は、あらかじめ用意していた本人確認書類と収入証明書類をガイダンスに従ってアップロードします。郵送の場合は、申込用紙を同封して返送します。
3.4.結果が届いたら契約に進む
無事に審査通過の結果が届いたら、正式な契約書手続きに移ります。一般的にカードローン専用のカードは、1週間程度で後日郵送されますが、契約を結んだ後に窓口で即日発行されるケースもあります。
3.5.ATMや振込みで借入れる
カードが届いたら、ATM・キャッシュディスペンサー、ウェブ・アプリを通じた振込依頼などによって、いつでも自由に借入れが可能となります。
4.カードローンを利用する際のポイントや注意点
カードローンを利用する際にも、きちんと押さえておくべきポイントや、気をつけておくべき注意点があります。
4.1.必ず返済スケジュールを立てておく
カードローンは限度額の範囲内なら何度でも利用できるだけに、もっとも重要となってくるのは、しっかりとした返済スケジュールをあらかじめ立てておき、それに従って着実に残高を減らしていくことです。無計画に借入れを繰り返していると残高がなかなか減らず、利息の負担も重くのしかかってきます。
4.2.事前に返済シミュレーションを行っておく
カードローンのサービスを提供している会社の中には、自社のウェブサイト内に返済シミュレーションを行えるツールを用意しているところがあります。まずは返済のシミュレーションを行い、その結果をもとに、より現実的で無理のない返済スケジュールを組むようにしましょう。
4.3.審査に時間がかかる場合もあることに留意
カードローンの審査に要する時間は短く、最短即日で借入れが可能だとアピールしている会社も少なくありません。しかしながら、あくまで審査は利用者ごとに個別で実施されているもので、場合によっては想定以上に時間を要するケースもあります。
時間がかかることを想定し、余裕を持って申込むようにしましょう。
4.4.借入限度額に応じて金利が変動する
一般的にカードローンは、利用限度額の設定が高額になるほど、適用金利が低くなる傾向にあります。とはいえ、借入額が多くなればおのずと返済利息も増えることになりますから、計画的な利用を心がけることが大事です。
4.5.返済が遅れると遅延損害金が発生する
約束の期日よりも返済が遅れた場合、そのペナルティとして遅延損害金が発生します。遅延損害金とは、約束していた支払いが遅れた場合に、受取る側が被った損害を賠償するために徴収される金銭のことです。その負担を軽視できないだけでなく、遅延するケースが度重なると信用力が低下し、新規の借入れが停止になるおそれもあるので注意しましょう。
5.キャッシングとの違い
カードローンの他に、キャッシングがありますが、キャッシングとは正確には「お金を借りられるサービス」の総称です。
したがって、カードローンもその中の一つに属するわけですが、世間では「キャッシング=クレジットカードに付帯しているお金の借入れサービス」と認識されています。
ここでは「カードローン」と「クレジットカードのキャッシング」とのサービス内容の違いにスポットを当ててみましょう。
まずは、カードローンとクレジットカードのキャッシングとの違いについて表にまとめてみました。
カードローン | キャッシング | |
---|---|---|
金利の違い | 年1.0%〜18%程度が目安で、相対的にキャッシングより低い場合が多い | 年15%〜18%程度が目安で、相対的にカードローンより高い場合が多い |
借入限度額 | 高め (500万~1,000万円ほど) |
低め (数十万~100万円ほど)
|
借入方法 | 銀行振込み、提携銀行やコンビニのATM、インターネットバンキングなど | |
返済方法の違い | ■毎月1回の約定返済 ■好きなタイミングの任意返済 口座自動引落し、ATM利用、インターネットバンキングなどから選択 |
■リボルビング払い、一括払いのいずれか ショッピング枠の支払いに合わせた口座自動引落し、ATMの利用が一般的 |
融資までの時間 | ■金融機関により異なる 消費者金融系なら最短で即日融資も可能だが、銀行系は1週間~10日程度かかる場合もある |
■キャッシング枠の付帯するクレジットカードがあれば利用可能 クレジットカードを持っていない、キャッシング枠を付帯していない場合、申込みと審査が必要なため、当日~10日程度など、カードによって異なる |
年会費 | 利用がなくても不要 | 商品によっては必要 |
5.1.金利の違い
金利とは、借入れた金額に対して1年間で発生する利息の割合を%で示した数字です。
クレジットカードには、キャッシング以外にもショッピングでの利用(後払い)や優待サービス、保険などといった多彩なサービスが付帯されています。これに対し、カードローンは完全に融資に特化したサービスを提供しています。
こうした違いもあって、カードローンで適用される金利は各社が独自に設定しているものの、クレジットカードのキャッシングと比べて低めになっているケースが多いようです。しかも、カードローンでは利用限度額の設定が高額になるほど適用金利が低くなる場合がありますが、キャッシングではそういった設定になっていないのが通常です。
5.2.借入限度額の違い
年収や所有資産など、カードローンの借入限度額は利用者の信用情報に基づいて個々に設定されます。カードローンは、融資特化型でのサービスであるため、クレジットカードのキャッシングと比べて、借入限度額が高めに設定されているケースが多いです。
カードローンの借入限度額は500万〜1,000万円程度で、クレジットカードのキャッシングでは、数十万〜100万円程度数となっています。
比較的少額の資金を工面することを前提にしたクレジットカードのキャッシングに対し、カードローンはまとまった資金の調達にも適したサービスだといえるでしょう。
5.3.返済方法の違い
カードローンの返済は、リボルビング払い(以下リボ払い)となっているケースが一般的です。リボ払いには、毎月一定額ずつ返済する「定額方式」や、利用残高に応じて返済額が変化する「残高スライド方式」、利用残高に対して一定の割合を乗じた金額を返済する「定率方式」などがあります。
こうした毎月の返済に加えて、多くのカードローンでは任意で希望額を返済できる「臨時返済(随時返済・追加返済)」も可能です。返済方法は、銀行口座からの引落としや提携ATMでの入金、ネットバンキングによる振込みも可能なケースが増えています。
クレジットカードのキャッシングの場合、返済は一括払いとリボ払いのどちらかを選択するのが一般的です。ただし、リボ払いでは提携ATMでの入金やネットバンキングによる振込みも選択できるのに対し、借りた翌月の所定期日に「借入金額+利息分」を支払う一括払いでは銀行口座からの引落としのみというクレジットカード会社も存在しています。
関連記事はこちら
6.その他のローンとの違いは?
世の中には、カードローン以外にもさまざまなローン商品が出回っています。それらの特徴や、カードローンとの違いにもついても触れておきましょう。
6.1.フリーローン
フリーローンは原則として使い道が自由で、その点はカードローンと共通しているように思われますが、審査に要する時間については、カードローンと比べてフリーローンは長くなる傾向がうかがえます。そのため、急ぎの資金調達には不向きだといえるでしょう。
6.2.目的別ローン
資金の使い道を限定した目的別ローンとしては、住宅ローンや教育ローン、マイカーローンなどが挙げられます。これらは調達した資金を目的外の用途に充てることができないという制約があるかわりに、カードローンやフリーローンと比べて金利が低めに設定されています。
6.3.カードローンの主な利用目的
カードローンは使い道が自由で担保も不要であることから、利用者の裾野は非常に広いといえます。実際の用途も、日常の生活費の補填から旅行・レジャー、冠婚葬祭など、多岐にわたっています。
7.カードローンの利用は計画的に行うことが大事
使い道が限定されず、限度額の範囲内なら何度でも利用でき、借入れと返済のどちらも場所や時間の制約を受けないカードローンは、非常に便利な資金調達手段です。その反面、用途が限定されているローンよりも金利が高めで、やみくもに利用していていると残高がなかなか減らない状況に陥りかねません。
こうした注意点をしっかりと理解したうえで、あらかじめ返済スケジュールを立てておき、計画的に着々と返済を進めていくことが大事です。